中国の消費者向けサービス運営大手、美団点評が香港取引所に上場されました。約5,000億円を調達する注目のIPOです。
2018年後半は香港での巨額IPOが相次ぎ、集まった巨額の資金による欲望のうねりが発生してきました。スマートフォン製造のシャオミや電波基地運営の中国鉄塔のIPOでは、当選した新規公開株をすぐに売却することで僅かながら戦利金を手にしています。
美団点評IPOへの応募も検討していましたが、事業内容と市況状況を鑑みて見送りました。不参加を決めた以上、無用な感情の起伏を避けるため市場とは距離を置きたいところですが、これからのIPO戦略を練るためには株価推移を追わざるを得ません。
株価が上がれば悔しいし、下落するようであれば今後のIPOに希望を失います。売買の伴わない株価ウォッチは精神的耐久性が試されるばかりです。
公開
公開価格はHK$69.0でした。募集条件は$60~72だったので、やや強気な株価設定です。規模で上回るシャオミや中国鉄塔は募集価格の最安値で公開されています。
なんだろう、このソワソワ感。僕が参加しなかったIPOに限っての暴騰は勘弁してやってください。
初日
初値はHK$72.9です。早速の5.7%アップ。公開価格で購入できた皆さん、おめでとうございます。そのまま$74.0まで上昇し、僕は苦悶の表情を浮かべる。
2~3日目
2日目は初日と同水準を維持し、3日目に下落。公開価格をやや下回るHK$68.9まで値を落としました。息切れするの、はやっ。
2週間後
低下を続け、HK$65。公開価格からは5.8%の下落です。アカンやないか。
(美団株価チャート 3週間)
それから公開3週目にかけ株価を戻してきていますが、僕がIPO株を2週間以上も保有することはありません。上場したばかりの株価が適正かどうかを見極めるのはレベルが高すぎます。市場に注目されているうちに売ってしまう作戦なのです。
美団点評のIPOに参加していても、僕が利益を獲得できていた可能性はなさそうです。3日目に手数料分の利益だけは出して売却したか、2週間後に涙ながらに売却したか、どちらかでしょう。
香港の証券会社の値段設定力は優秀です。シャオミも中国鉄塔も、上場後しばらくは公開価格水準で推移していました。大きく跳ねることはないけれど、とんでもない下落に見舞われることもありません。
ん? それってつまり、IPOに参加する必要ないじゃん。
配車サービスの滴滴出行も今年中のIPOが噂されています。安全施策の欠如や独占禁止法への抵触が心配ですが、上場となれば今年最大の香港IPOになりそうです。
僕が資産運用の主力としている米国株はゆっくり確実に資産を増やすための取り組みですが、瞬発的な利益も欲しいので、これからも大型IPOの動向を注視していきます。