僕はおカネが好きです。幼少のころは、利子が付いた預金通帳を眺めては悦に入っていました。
好きすぎて親の財布からくすねていた時期もあります。あかんやがな。
おカネは好きにならないと増えません。恋心を抱く異性のようなものです。好意を寄せないと来てくれない。うむ、うまいこと言ったぜ。
日本で最もお金を愛しているとされる村上世彰氏の「いま君に伝えたいお金の話」を読みました。
村上世彰氏は通商産業省を経て村上ファンドを創設し、4,500億円もの資金を運用するまでに至ります。後年、非営利団体を立ち上げ、ビジネスの表舞台からは距離を置いていましたが、近年になって自身の資金を活用し投資活動を再開しています。
本書は、子ども向けのお金の指南書です。貨幣概念や社会構造、稼ぎ方や増やし方まで、お金関連の全般が分かりやすく説明されています。
徹頭徹尾、金金金金金金金金と呪文のように繰り返されますが、厭らしさや生々しさはなく、むしろ爽やかでした。読後はお金に対する固定観念から解き放たれ、お金を使ってなにをしようかとワクワクしてきます。
僕は資産運用ブログを運営しているぐらいなので、フラットな感覚を持ち合わせていると思っていたのですが、それでもおカネへの疑念が残っていたようです。偽りの恐怖に束縛されることなく、正面から向き合わなくてはなりません。
おカネのことを知れば知るほどに親しみが深まり、逆説的に、たかがおカネじゃないかとも思えるようになってきていました。これを愛と呼ぶのだろうか。
人生を豊かにするために、大好きなお金を使いこなせるようになろうと思います。