日本のサラリーマンは社長に向いていません。
現時点で上層部まで上り詰めているような年齢層は、雇用の柔軟性がない時代を生き抜いてきており、新卒採用から同じ会社に勤めあげてきた人たちばかりです。
40年ほど、1つの組織に属してきたことになりますね。すごいや。僕は頑張っても10年が限界です。それ以上だと脳が腐る。
社長といえど、入社時は平社員でした。末端から始まり、組織のトップまで上り詰めたのです。
大企業の社長は数年に1人しか出ないし、優秀な同期も大量にいるしで、とんでもない競争率。自分で事業を持つことを考えなかったのかな。そっちのほうが難易度が低く、得るものが多い。
超絶優秀なはずの社長なのに、経営者としては無能です。無難に任期を全うすることを優先して、リスクを取らないし、真剣みも足りない。
仕方ありません。サラリーマンと経営者では、求められているものが違いすぎる。
日本の企業は未だ流動性が低く、同じ顔触れで組織を構成し続けます。限られたメンバーのなかで突出するためは、内に向けたパフォーマンスが必要です。
上司に取り計らい、同僚をサポートして、部下へはケア。そんなことを40年間も続けていたら、会社が仲間だらけになってしまう。
社長になって最適な経営をしようにも、融通しあう経費の無駄遣いにメスなんて入れられないし、事業の縮小が予想されても人員整理なんてできません。取り立てる人物は社内での評価が重要視され、さらに内向きの組織に凝り固まっていくのです。
組織の運営には優秀な指導者が欠かせません。日本の大企業は所属する分には最高に気の抜けるぬるま湯環境ですが、投資するには不適格です。
価値の提供を最優先に変革を恐れず、幸福の総和を根拠に誠実な出血を厭わない経営者に率いられてこそ、企業は未来に光り輝きます。
働くには躊躇してしまいますが、大切な資産の投下先としては最適です。かわいい子には旅をさせよ。泣く泣く送り出し、大きくなって帰ってくることを楽しみにしようと思います。