イオン㈱は国内流通大手です。株主優待に興味があり考察しました。
スーパー事業が売上の75%を占めます。そのほか、金融や不動産事業なども傘下です。
売上は年間3%ほど拡大し続けており、利益の伸びはおよそ13%です。保有現金は潤沢で、財務状況に問題はありません。
国内競合と比べても、決算内容は優秀です。
(他社比較 Yahoo!ファイナンスより引用)
株主還元に熱心で、順当に配当が増えています。配当利回りは1.5%、配当性向が100%を超え続けている点は気にかかります。
イオン株の魅力は特有の株主優待です。
優待を受けるためには8月末日および2月末日に株式を保有していなければなりません。権利付最終日は、確定日の3日前です。
権利を手にすると、約1か月後に「オーナーズカード」の案内書が送られてきます。手続きして、さらに1か月待つと本人用とFamily用の2枚のカードが送られてきます。
店舗でカードを提示すると、保有数に応じて返金割引が受けられます。100株で3%オフ、3000株以上で7%です。
そして、ここが最大のメリットなのですが、イオン店舗内のラウンジを使用できます。飲み物と軽食が提供され、ゆっくりと寛ぐことができるらしい。
内装に高級感はありませんが、クッキー食べながら新聞読んでコーヒー飲めるなら、文句は言うまい。
それ以外にもイオンシネマの料金が割引になり、ポップコーンやドリンクがもらえます。
3年以上継続して100株以上の株式を保有すると、ギフトカードも貰えます。2,000円のために300万円が必要なので優待率は高くありません。
現金を貯金口座に寝かしておくよりは、イオン株の保有が有利なのは間違いありません。問題はほかの銘柄と比較しても優位性があるかです。
確実に想定するため、配当率を用いて検討してみます。
主要な量販銘柄で配当率が高いのは、アメリカ量販のターゲット(TGT)です。年利3.63%の配当があり、増配は51年続いています。
簡易に課税計算し、配当差率を求めるとこうなります。
(3.63% x 0.7) - (1.5% x 0.8) = 1.34%
イオン株価が2,250円で単位は100株なので、株主優待の対価は3,015円ということです。引き合うためには、買い物の月額が8,375円必要です。
流通世界最大のウォルマート(WMT)と比較すると、配当が2.11%なので、同様の計算を行うと優待対価は623円です。
ラウンジに3,000円以上の価値を見出せる人は、それだけで価値があります。
我が家のように平日使用が難しい世帯は微妙です。休日で混雑している時間帯におやつだけ取りに入れるのかな? 入場制限があると、それも憚れます。
日常でイオンを利用する人は割引特典だけで容易にメリットが出せますが、優待のためにイオンに行くのであれば、行動が制限されてしまいます。イオンシネマの割引優待も同様です。
我が家の使用方法としては、両親をそそのかして購入してもらうことですね。
リタイア世代はラウンジメリットを最大に活かせるし、日本株だから為替リスクがない。僕たちはFamilyカードを手に入れられる。オッケー、誰も傷つかない。
日本の株主優待制度はあまり好きではないのですが、サービス内容を明確に把握しておけば、巧く利益を享受することが出来そうです。