多分、ほとんどの市場参加者が諦めていたと思う。
GE(ゼネラル・エレクトリック)は終わった。
アメリカのYahoo! Financeでも、米国株関連の日本語ブログでも、GEはいかに凋落しているかという論調で溢れていた。
僕は180万円分のGE株を保有していた。今も持っている。売りどきを逃しただけなんだけどね。
2年間で80%も値を下げた時代遅れのボロ株を、為すすべもなく握りしめていたってわけ。たまに買い増しもしたから、余計にタチが悪い。
2019年2月2月25日。
僕たちが眠りにつく頃、ニューヨーカーは目を覚ます。
早起きしてランニングしようと早めにベッドに向かった僕は、いつもの習慣でアメリカ市場のプレマーケットを確認したんだ。
GE 18%アップ
見間違いかな。
GE 18%アップ
ビビったね。株価アプリの不具合だと思った。
一直線の下降線。
林檎が地面にしか向かわないように、GEの株価には下落しかしないと思っていた。
閉場するころには前日終値で決着するんだろ、なんて嘯いて眠りにつく。
GEホルダーは、何度も騙されてきたんだ。
意外にも深い眠りに落ち、目が覚めると朝。夕方のニューヨークは、GEを6.39%アップで迎えていた。
バイオ医薬事業を$21 billionで売却する発表が好感されたらしい。
10月に就任したラリー・カルプCEOは、売却先のダナハー出身だったな。世界有数の大企業でも、内輪での取引みたいなことが起こるのか。
GEの資金繰りが改善するなら、なんだっていいや。
ダウ工業平均から除外された当時の株価に近づいてきた。
これ以上の悪材料は出ないと思い、US$12.78-で買い増したあの日が懐かしい。
市場からの冷遇は想像を超えていて、それからも吐瀉のような株価の下落が続いた。
US$6.66-ってなんだよ。ペニー株へまっしぐらじゃねえか。
縁起の悪いキリ番株価を境にGEは切り返した。
底値で買い付けていれば、なんていう後悔はない。不可能だからな。
2カ月で価値が半減するような金融商品に手を出せるか?
無理。仮想通貨に投資するクラスの勇気が必要。そもそも僕、売却しようとしていたし。
抗ってはダメだってことだ。一旦株式を購入したら、よほど思惑外の新情報でも出てこない限り、保有を続けるしかない。
GEって、米株投資している人のなかではネタ銘柄っぽくなっているけれど、めちゃくちゃ優秀な企業だからな。
僕が勤めている企業なんか霞んで見えるほど巨大で、働いているやつは超優秀。そのトップたるや神様みたいなもんだ。
自分よりスゴイやつを疑ってどうする。
調べてみたら、GEは2000年に$57.81-をマークしているらしい。
史上最高値の更新やっちゃう?
このドキドキ感が、GEを保有する意味だ。
エジソン? エンジン? よう分からんな。
GEが奏でだすハーモニーで躍らせてくれ。