過去500年の間に、人類の数は5億人から70億人へと増え、生産量は2,500億ドルから60兆ドルへと増大しました。
人口が14倍になったのに対し、富の供給が240倍もの拡大を遂げており、生産効率の上昇は17倍にも及んでいます。
生産性向上を支えたのが、科学革命です。
人類は原子を破壊力へと変換させ、月にロケットを到達させました。
ご安心ください。僕は正気です。
いつもの億万長者物語と切り口が違うので戸惑ったかと思われますが、僕はこういった学術的な記事も書けるのです。
目下「サピエンス全史」の読み解きに取り組んでおり、認知革命で虚構を生み出して共有できるようになった人類が、農業革命により社会を構築していった経緯を理解してきました。
今までの読み解き内容は、こちらからどうぞ。
本書の生物学や歴史への解説は、人類が繁栄した経緯の理解を助け、資本主義の未来を考えさせます。
未来を期待して株式を購入する投資家には、必読の内容なのです。
読み応えのある本なので、理解を深めて記憶を定着させるために読み解きを記事にしてアウトプットしています。
要点を簡潔に書き出していますので、億万長者物語を読んでくれている皆さんの理解にもつながれば幸いです。
それでは、読み解きを進めます。
500年前の科学革命により、資源が研究に投下されて新しい力を生み出し、力で獲得した資源が研究に再投資される循環が生まれました。
カギになるのは、無知の革命、「知らない」という発見です。
それまでは宗教の聖典や万能神がすべてを教えてくれましたが、数学的な物理法則や統計学によって、真実を求めるようになったのです。
ヨーロッパでは500年前に余白が残った地図が描かれ始めます。それまでの地図では怪物や滝によって世界の果てが描かれ、知識の空白は存在しませんでした。
無知を認める心理が、イデオロギーを躍進させます。
技術的に優れていたわけではない辺鄙な寒冷地に過ぎなかったヨーロッパは1750~1850年にかけて躍進を遂げました。
学ぶために侵略し、知識を征服していきます。
科学とテクノロジーの結合が、技術力と組織力に取って代わり、進歩を推し進めました。
真実を知ることは進歩という正当性を与え、地域内の争いを超えて、帝国主義による領土の征服へと繋がっていきます。
科学による進歩は、富の総量が増大するという概念を生み出し、余剰資金を貸し出す信用経済によって成長を加速させていきます。
富の総量が増えるという概念は画期的なものでした。
それまでの社会は富の総量を一定と考えており、強欲は罪だったのです。
個々の富は回転し、全体の富を生み出します。アダム・スミスの国富論よって、利己主義は利他主義であり、富は道徳的であることが示されました。
それまでピラミッドを建築したり埋蔵金へと消化されたりしていた利益は、再投資されて経済成長を加速させます。
資本主義の誕生です。
資本主義は経済学説から倫理体系へと発展し、宗教的なイデオロギーとして世界を席巻していきました。
そして産業革命へと導かれます。
次回に続きます。
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