8Fに着いた。
銀色のエレベーターから踏み出すフロアは白く美しい。
明転した視界によろけつつ、ブースで区切られた受付へと進む。
部屋は芳醇な香りに包み込まれていた。
バラとかローズマリーとか、リッチ系の匂いだが花の名前は思い出せない。
余裕を装うために挨拶を交わして周囲に目を配ると、待合スペースに女性がいて怯む。
男性専用じゃないのか?
カウンターの向こう側で優雅に微笑む女性に、胸を張り堂々と告げた。
2時から予約しているみゆたりです。ええ、そうですVIO脱毛をお願いいたします。
遂に永久脱毛に取り掛かる。
ブラジリアンワックスで無毛生活の快適さを確認し、パッチテストでレーザー脱毛に過敏反応が出ないことを確かめた。
ニードルワックスの痛みで気絶しかけたし、カミソリ負けした股間にアイスノンを突っ込む恥辱にも耐えた。
すべての戦いの記録を残してある。足跡は脱毛カテゴリーにて確認してほしい。
脱毛サロンや医療クリニックの施術内容を比較して検討したが、湘南美容クリニックが私の選択だ。
調べた限りでは、大手だけあってサービスが充実しており、価格も安い。
リンクはこちら。大丈夫だ、アフィリエイトじゃない。安心してくれ、億万長者物語は真実をお届けする。
医療脱毛・医療レーザー脱毛なら湘南美容クリニック|美容整形・美容外科
受付を済ませると、すぐに小部屋に通された。待ち時間が短すぎて精神の平静は不十分だ。
YouTubeに接続して説明動画を視聴。終了と同時に医者が現れて施術について聞かされる。
交代で部屋に入ってきた人懐こい笑顔を見せるカウンセラーが、料金と脱毛箇所についての説明を始めた。
私が脱毛するVIOは、パンツのなかのハイジーナだ。
それぞれの範囲規定を教えてもらうが、Oが肛門でしてぇ、Iが男性自身と袋でしてぇ、と美人系の女性にニコニコ説明されても頭に入ってこない。
おもむろに立ち上がり、すらっとした立身を披露すると、Vはここですねぇ、などといって、自身の敏感箇所を指で区切って実演する。
なにこれ、そういうサービスなの?
さすが湘南美容クリニック、説明にもエンタメ性が詰め込まれている。
VIOは14,580円。ワキの脱毛も980円と破格な値段設定だったので、追加の処置をお願いした。
レーザー脱毛は活動時期の毛根にだけ有効なため、生え代わりの度に繰り返し施術を受けて毛根を絶やしていかねばならない。
8回くらいの通院が必要とされており複数回のまとめ買いが割安だが、単発での支払いを選んだ。
薄くなれば充分で、ツルツルになる必要はない。
運よく結婚できているし、毛の蒸れさえ対処できればそれでいいのだ。
処置室ではカーテンで仕切られた空間が広がっていた。
ベージュのカーテンがかろうじて高級感を保っているが、野戦病院を感じざるを得ない。
私の担当は、目がクリっとした女性だった。女の子と呼んでも支障がないほど若く、可愛らしい。
嬉しいような恥ずかしいような気分。どちらかというと、嬉しい。
全裸になって大きめのタオルを被り、ベッドに横たわると施術が始まった。
まずはワキの毛を剃っていく。
本来なら自分で剃らなければならないのだが、突然処置を追加したので未処理のままだった。
毛剃りは500円。愛くるしい女性に剃ってもらえるのであれば、安い。
上品な振動式体毛カッターで処理していくが、未処理のワキに苦戦しているようで、あらかじめハサミで短くしていいかと聞かれる。断る理由がない。
私のワキ毛に集中させるのも申し訳ないので、おしゃべりして気を紛らわせる。
彼女は看護師の資格を保有しているそうだ。この春、専門学校を卒業して働いているらしい。設定がヤバい。
毛を完璧に無くし、レーザーを照射していく。
輪ゴムではじかれる程度の痛み。パッチテストで体験済みなので、問題なし。ニードル脱毛の苦悶に比べたら、春のそよ風に撫でられたようなものだ。
照射の度に冷たさを感じ、追って熱反応を知覚する
ワキが終わると、いよいよハイジーナに突入する。
照れる僕に構いもせず、股間部に被せたタオルを躊躇なくはぎ取る。
マジかよ。
まずはVですぅ、と宣言され毛が剃られていく。
VIOゾーンもフサフサのままだ。
自分でやろうにも勝手がわからないし、どの程度まで剃り上げればいいのか分からなかったので、事前に断っておいたのだ。
ハイジーナ一式の毛の処理で、1,000円。
特にOが難関で、もらった資料には下図の指南が掲載されていた。
こんなんやるくらいなら、喜んで対価を支払う。
Vを仕上げてIへと向かう。ガチの部分だ。
ちょっと引っ張りますねぇ、と言われて、大事な部分が引き延ばされて剃られていく。
たまたま欲望の薄い日でよかったが、そうでなければ全力状態への変身は免れない。
表や横、裏へと処置箇所を変えていくたびに、ひょいっと摘まれる。
覚悟はしていたが、実際に摘まれると、ああやっぱりそうするのね、と妙な納得感が湧いてきて笑いがこみ上げるが、変態扱いされるのは嫌なので精神を統一して耐えた。
彼女はなぜこの職を選んだんだろう。
何を思って、モノを摘んだのだろう。
彼女の若さと容貌なら、ほかに労働環境の良い職を探せたのではないだろうか。
問題のOへと突入した。四つん這いはさすがにヤバいと思っていたが、うつ伏せで処置できるらしい。残念。
丹念に押し広げられて処置を進める。
余りにも広げられるので、そんなに?と口に出しかけた。危ない危ない。
見事に私のハイジーナがツルツルになっていく。
これだけでも、施術を受けに来たかいがあった。
処置を終えたハイジーナを丹念にレーザー照射して本日の脱毛が完了。
Iの根元がちょっと痛かったが、耐えられる。今までの苦難を考えれば、天国みたいなものだ。
こんなに楽しく脱毛できるなら、最初からレーザー脱毛にすればよかった。
2週間後には毛が抜け落ち始め、しばらくすると新しい毛根が活動を開始するらしい。
生えそろってくる2か月後を目途に次の脱毛を行うのが一般的とのこと。
次回も継続するのかは、今回の経過をみて検討しようと思う。
看護婦さんを指名できるのであれば迷うことなく再訪するのだが、あいにくそのようなサービスは提供していないらしい。
彼女なら、5倍の値段でも毛剃りの依頼が殺到すると思う。
僕の画像をクリック! 今日も応援ありがとうございます!!