先日の記事で、やはりテンセントはすごい!ということをお伝えしました。
それでは、投資対象としてはどうでしょうか?
テンセントの株式は香港に上場されており、日本の証券会社でも取り扱いがあります。
株価はすでに成長を織り込んでいているので、割高です。
PER(株価収益率)をみると、80前後を推移していますのね。典型的なグロース株です。
上場市場が米国だという違いはありますが、同じく中国インターネット企業の雄、アリババ(Alibaba/阿里巴巴集団/BABA)やバイドゥ(Baidu/百度/BIDU)の2倍ほど高く買われています。
現株価が適正かどうかを考えるのは、とりあえず意味がないでしょう。
今後も、どれだけ高成長を持続できるのかは、誰にも分からないからです。
ただし、いくつかの材料はあります。
まずは収益エンジンのゲーム事業です。
王者栄耀(中国で大人気!)や、テンセント開発ではありませんが、アズールレーン(中国でイマイチ。日本で人気!)のような中国開発のネットゲームは課金なしでも満足に遊べるため、日本のゲームと比べてユーザーに優しいといわれています。
課金を促す仕様が中国内で浸透すれば、収益はさらに上がるでしょう。
ただし、中国政府は、学生のゲーム時間が増えることに難色を示しているため、射幸性を上げることには、政治的な横入りが入るかもしれません。
単純な需給バランスでは、決定できない事情があるのです。
続いて、インスタントメッセンジャーアプリ。
広告がまだまだ強力な利益源に育っていないため、これからの成長が見込まれます。
GoogleやFacebookが得意な事業モデルですが、株価はすでにこれらのインターネット界の巨人に並んでいるので、織り込み済みとみることもできそうです。
中国はインターネットの閲覧が制限され、GoogleやFacebook、LINEなどが締め出されています。
テンセントの微信(WeChat)やQQについても、利用制限が発生するリスクは否定できません。
僕は、この点は楽観視しています。中国政府の報道官がSNSに言及する際に、微信の個別名を使用して、中国内には充分な環境があると答弁しているためです。
むしろ独占的な立場を維持して、インターネットのゲートウェイとなることができそうです。
顧客の行動を網羅して、有利にビッグデータの収集を行い、なにかとんでもないことをやらかしてくれる予感すらあります。
CEOのポニー・マー氏(馬化腾/Pony Ma)は株価をテンセントのゴールとしていないことを明言しており、株主を喜ばせる施策は期待しないほうが、よさそうです。
自社の株価について高いと発言していますし、微信支付(WeChat Pay)によって充分な額の資金がユーザーからプールされているので、資金調達の必要性は見当たりません。
まとめとして、僕の戦略を記載しておきます。
資産内5%ほどの株式の、継続保有です。
下がったら買い増して、上がったら売却して、保有比率を維持しています。
成長を維持する中国とともに企業価値が大きくなるであろうこと、中国の特殊な環境という、競合に対して巨大すぎる参入障壁があることが保有理由です。
株価、上がれー!
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テンセントの事業についてです。
中国検索サイトトップの百度について、まとめました。
アリババは、売却済みです。