1848年、カリフォルニアで金が発見されました。カリフォルニア・ゴールドラッシュの始まりです。
翌年の1849年には採掘者が殺到し、彼らは「フォーティーナイナーズ(Forty-niners)」と呼ばれました。NFLチームのサンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)の名前の由来にもなっていますね。
カリフォルニアに到着することは大変な道のりで、道半ばで亡くなったかたも多かったそうです。
無事にたどり着いても、採掘で成功した人はほとんどいませんでした。
あまりにも多くの人々が殺到して採掘競争が厳しくなり、生活物資は不足して価格が高騰してしまったからです。
そのなかで儲かったのは、誰か。
スコップを売った人です。
金を掘るには道具が必要ですよね。スコップだとか、バケツだとか。必需品なので、飛ぶように売れます。
金を掘って大金持ちになる夢を描いている、荒くれものが相手です。高値でもジャンジャン売れる様子が目に浮かぶようです。
目の前に金が落ちていても、一歩引いて商売を考える。そのような姿勢が安定した高利益をたたき出せるのですね。
現在のハイテク機器で例えてみます。
まず、市場に出荷するメーカー。彼らは、現場に近い“採掘者”です。
ハイテクに機器に使われる部品はどうか。一歩下がっている感じがしますね。心臓部の半導体は、供給が追いつかない好景気状態にあり、株価もかなり上がっています。
もう一歩引き下がって、半導体を作るのではなく、半導体を作るための道具はどうでしょうか。
いわゆる半導体製造装置メーカーに辿りつきました。
ということで、僕は半導体メーカーのマイクロン(Micron/ MU)とエヌビディア(NVIDIA/ NVDA)を売却し、半導体製造装置メーカーのアプライド・マテリアル(Applied Materials/ AMAT)とラム・リサーチ(Lam Research/ LRCX)の株式を買い増ししました。
でも、これくらいだったら、容易に思いつきそうな気がします。
まぁ、スコップだって、言われてみれば簡単に思いつくので、この程度の掘り下げでいいのでしょう。
スコップのように上手くいくのか、それとももっと源流にまで遡って、材料セクター企業や、エネルギー系セクターを保有しておいたほうがいいのか。
保有することで検証してみようと思います。
最後に、カリフォルニア・ゴールドラッシュで財を成した人をまとめてみましたので、どうぞ。
リーランド・スタンフォード
採掘者を相手に、雑貨商を営んだ。 その後、鉄道会社を設立し、カリフォルニア州知事も務めた。名門スタンフォード大学の創設者。
ヘンリー・ウェルズとウィリアム・ファーゴ
アメリカンエキスプレスを創設し、東部からカリフォルニアに貨物や人を運んだ。 その後、ウェルズ・ファーゴを創設。優良顧客を抱え、バフェット銘柄に組み込まれている。
リーヴァイ・ストラウス
採掘者にテントや荷馬車の幌を作るためのキャンバス帆布を販売した。 その後、「リーバイ・ストラウス」を設立し、帆布を用いて、新しいスタイルのワークパンツとして、ブルージーンズを製造。