中国人がネット検索するときにもっともよく使用するサイト、それが百度です。
絶対的な地位を築いた「百度」について、考えてみます。
企業について
百度(Baidu/BIDU)は、中国最大の検索エンジン名であり、それを提供する企業名です。創業は2000年1月、本社は北京です。
検索エンジン
主要収益源は広告収入です。検索結果上位への掲載をオークション形式で出品し、売り出しています。売上は順調に伸びており、キャッシュフロー増加も堅調です。
中国内の検索エンジンとしての地位は磐石でしょう。政府とは蜜月の関係です。
適切にユーザーにサイトを表示させるためには、百度に検索エンジンへの登録を依頼する必要があります。
その依頼のためには、中国行政へサイト構築申請を提出する必要があり、政府としては安心できる取引相手なのです。
今後の広告収入については注意が必要です。
最近ではアリババ(Alibaba/阿里巴巴集団/BABA)とテンセント(Tencent/騰訊/0770.HK)が、急激に存在感を増しているためです。
世界中で起きている現象ですが、中国でも、検索エンジンだけがインターネットへの入り口ではなくなりつつあります。
自動運転
自動運転開発に取り組んでおり、中国企業のトップを走っています。
政府が立ち上げたAI発展計画(AI発展計画推進弁公室)にも、自動運転分野の担当として選出されました。
百度が発表した「アポロ計画(Project Apollo)」では、自社の自動運転技術を公開し、プラットフォームを提供しています。
自社のプラットフォームを利用する産業圏(いわゆるエコシステム)を構築し、開発を加速させる意向です。
中国は、自動運転の開発に有利な国です。
自動運転を実現には、有人運転車との共存が大きな問題になります。共産主義の中国では、「鶴の一声」があれば、極端な想定ですが、自動運転車だけの環境を作り出すことが可能なのです。
中国政府はEV車を手厚く優遇しており、自動運転とEVは相性がいいため百度にとっても追い風です。
投資対象として
僕は20株(US$4,800-)を保有しています。そして、近々売却しようと考えています。
保有していた理由
中国ネット企業3強の1つだからです。そのほか2つは、アリババとテンセントですね。
中国のハイテク企業は巨大に、かつ高収益になっています。このビックウェーブに乗らない手はありません。
しかし、中国株式の保有を懸念している投資家は、多いと思われます。正確な情報の取りづらさや中国政府の意向に左右されやすいことが理由でしょう。
そこで、逆説的に、株式を保有するのです。なかば強制的に動向や状況を追うことができます。
売却する理由
一通りの中国ハイテク事情が、頭に入ったからです。
アリババやテンセントは着実に自社の経済圏を拡大し、活発に投資をしています。百度は、その2つには見劣りしてしまいます。
保有するには「グロース投資」ということになりますが、集金力がいまひとつなのも、よくありません。
PER(株価収益率)を見てみましょう。
テンセントがPER80、アリババがPER50に対し、百度はPER30です。割安だとの判断もあるとは思いますが、グロース投資は勢いが重要です。
中国のネット市場へのグリース投資には、テンセントでよさそうです。アリババ株も保有していますので、アリババについても、そのうち記事にしてみようと思います。
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テンセントの研究です。
中国は、AIの開発に適した国と言えそうです。