長女が生まれた8年前に、生命保険に加入しました。
なにかあったときに、家族を守ってもらうためです。保険CMの売り文句を真に受けたのですね。
でも日本の生命保険は掛け金が高いし、還元率が悪い。
そこで外資系の生命保険に加入しました。
生命保険として機能するだけでなく、掛け金を運用もしてくれる保険商品です。長期間加入することで元を取れるだけでなく、利益も生むのです。
お得な保険に加入したと、大いに喜びました。
そのときの自分をぶん殴ってやりたいです。
生命保険に加入を考えているかたへの参考になるかもしれませんので、僕の体験をまとめてみます。
僕が加入したのは、死亡時の払い戻しが500万円の保険商品でした。
支払い額は、死亡時払戻金の75%です。契約時から5年間、毎年75万円を払い込みます。
すぐ死ねば儲かりますが、よかったのか、悪かったのか、今も生きています。
5回分の計375万円を払い終わると、払い込みは完了です。
引き出す際は、保険額の54%、270万円は保証されています。
払い込み額は、米国利率にて運用されます。加入6年後から3年ごとに、払い込み額の6%のボーナスも、払戻金に上乗せされていきます。
すごくお得な感じがしませんか?
でも、買ってはいけないのです。
買ってはいけない理由 その1
■500万円の生命保険をかけるために、350万円も必要なこと
もしも死んでしまったとしても、350万円もあれば、残された家族は当面の生活を送ることができます。
家族の生活力によって必要資金は変わりますが、当面の生活費200万円分くらいが手元にあれば、そもそも保険は必要ありません。
当面の生活費が心配なんだという場合は、低額の掛け金で保障できる、掛け捨て型の保険に加入しましょう。
買ってはいけない理由 その2
350万円を回収するのに、15年もかかる
運用型だといっても、15年もかかっていては、金融商品として成り立っていません。
買ってはいけない理由 その3
350万円分の投資機会を失う
ダウはこの30年間、年率8.6%で成長しているそうです。
未来を予測することはできませんが、この利率で投資したことを想定してみます。
350万円を5年間で複利8.6% >> 537万円
あっさり、死亡時の払い戻し額を抜き去りました。
掛け金が回収できる15年間運用したことを想定してみます。
350万円を15年間で複利8.6% >> 1,265万円
保険を保有し続け、やっと払い込み額まで回収できたときには、900万円もの差がついているのです。
買ってはいけない理由 その4
米国利率+年利2%ボーナスは、運用利率として低く、しかも単利
複利の威力は、「その3」で確認できました。運用が単利換算なのは、金融商品として致命的です。
2%の運用率も、世界の株式市場と比較すると低すぎます。
買ってはいけない理由 その5
解約手続きが面倒
実は僕、まだこの保険を保有しています。解約が厄介なのです。生命保険は死ぬまでかけ続けるものなのだからだとは思いますが、流動性がなさすぎます。
書いていて、泣けてきました。今から、この保険を解約してきます!
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僕たちは、社会保障制度に守られています。