インデックスを追うことで、金融市場の動向を把握できます。インデックス連動型の上場投信(ETF)は、有力な投資先にもなりますので、重要な指数が意味するところをまとめてみました。
INDEX(インデックス)とは?
市場全体(マーケット)の動向を示す指標や指数のこと
まずは最大の金融市場、アメリカのインデックスです。
アメリカ合衆国
1. ダウ工業株30種(ダウ平均、NYダウ)
米国を代表する30銘柄を選出し、構成銘柄の株価の平均値を指数化したものです。
「工業株」とはいいますが、ほぼすべての分野が選出の対象です。銘柄の組み替えは、ウォールストリート・ジャーナル紙によって行われています。
株価平均の指数ですので、株価の高い銘柄(値がさ株)の動きに影響されやすい特徴があります。
算出には、構成銘柄の株価の合計を「除数」で割ります。構成銘柄の組み替えや、株式の分割などの必要に応じて調整し、指数の連続性を保つためです。
2. S&P500
米国のすべての取引所の、米国企業のなかから選ばれた500銘柄で構成された銘柄の時価総額を指数化したものです。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出、公表しています。
時価総額の指数であるため、時価総額の大きな銘柄(大型株)の動きに影響されやすいです。
3. ナスダック総合指数(NASDAQ総合指数)
アメリカのNASDAQに上場する、全銘柄で構成される時価総額の指数です。1971年2月5日時点を100として算出されます。
S&P500と同様に、時価総額の指数であるため、時価総額の大きな銘柄(大型株)の動きに影響されやすいです。
次に、日本の代表的な指標です。
日本
4. 日経平均株価
東証一部に上場されている約1700社の中から、日本経済新聞社が選んだ、225社の平均株価です。
株価の平均なので、株価が高い株式の影響を受けやすい特徴があります。連続性を保つため、「除数」によって調整されていることは、同じ株価平均指標の、ダウ工業株30種と同様です。
記事内の8つのインデックスで、平均株価の指標は、ダウ平均と日経平均だけです。残りは、時価総額の指数だと覚えておきましょう。
5. 東証株価指数(TOPIX)
東証一部上場企業のすべてを対象にした、時価総額指数です。1968年4月1日の数値を100として計算しています。
時価総額が大きい銘柄(値がさ株)の影響を受けやすいことは、S&P500と同様です。
続いて、成長が続く、中華圏の指標です。
中国、香港
6. ハンセン指数(恒生指数)
香港証券取引所で売買される銘柄のうち、主要50銘柄の時価総額を算出した指数です。恒生銀行傘下のハンセン・インデックス社が公表しています。
1964年7月31日の構成銘柄の時価総額合計を100として算出されます。HSBCホールディングス、中国銀行、中国移動通信、テンセントなどが組み入れられています。
7. 上海総合指数
上海証券取引所が算出する株価指数です。1990年12月19日を基準日とし、その日の時価総額を100として、時価総額の指数を算出しています。
中国には、ほかに深セン証券取引所もありますが、中国本土の株式市場の値動きを示すインデックスとしては、上海が注目されています。
最後に、ヨーロッパの指数です。政治的に複雑で、投資の難易度は高めですが、市場の動向は追いかけておきたいところです。
ヨーロッパ
8. EURO STOXX 50
ユーロ圏の国々の、50銘柄に基づく時価総額の指数です。1991年12月31日を基準日とし、その日の時価総額を1000として算出されています。指数の算出、公表元はSTOXX社です。
国別の構成比率では、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアで80%以上を占めています。