iflytek(アイフライテック/科大讯飞)は音声認識技術を提供する企業です。
中国で最大のシェアを握るiflytekを、投資先として考えてみます。
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iflytekは、従業員8,000人を抱える中国企業です。中国では7割以上の音声市場シェアを押さえ、世界でも業界第4番に位置しています。
標準語の普通語だけでなく、広東語や上海語などの地方言語まで対応が可能です。 顧客は一般企業だけでなく、政府機関や教育、会計機関にも及んでいます。
アリババやテンセント、華為(Huawei/ファーウェイ)などといった、中国の有力な商品やサービスに採用されていますので、音声の1次データ(メタデータ)の取得には事欠きません。
今後は提携先の海外進出に連れ立って、海外事業の拡大を検討しているようです。
中国政府が設立した「次世代AI発展計画推進弁公室」にも、音声認識の担当企業として選出されています。
ほかの選出企業は、ヘルスケアを担当するテンセント、スマートシティのアリババ、自動運転担当の百度です。
中国の3大巨大IT企業と肩を並べて選出されているのですから、突出した音声認識技術力が伺えます。
iflytekの株式は中国の深セン証券所で取引されており、日本人は香港を通じて購入することができます。コードは、002230です。
資金は充分に調達できており、潤沢です。ただし利益率は高くありません。毎年のキャッシュフロー増減は、微増に留まっています。
投資家からの期待が集まっており、PER(株価収益率)は175もあります。中国IT界の覇者になりつつあるテンセントですら、PERは90です。
音声認識は次世代を担う重要な技術ですので、iflytekはまだまだ発展しそうです。
しかし、僕は投資を見送りました。いくらなんでも、株価が割高すぎます。
PER175は利益の総額が、現在の評価額まで達するのに、175年もかかることを意味します。*現在の株式価値86.03B元、2016年利益484M元
100年も存続できる企業はそうありません。もちろん、利益を10倍にすることも、並大抵のことでは達成できません。
iflytekは自社をプラットフォームとするエコシステムの構築にも乗り出しており、175億円を出資し、存在感を際立たせています。
先見性がある行動だとも理解できますが、2016年の利益は84億円なのです。その倍以上も捻出できるのは、iflytekが多額の出資や投資を受けているからにほかなりません。
成長性を期待されて株価が上がり資金が膨らみ、自社外に出資する。僕には錬金術のように思えてしまいました。
中国のハイテク業界には資金が集まっています。
高い成長性が期待できることは疑いませんが、投資先として適正な株価なのかは、よく吟味したほうがよさそうです。
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