AT&T(T)もベライゾン(Verizon/VZ)も、インターネット通信やモバイル通信など、総合的に通信事業サービスを提供する会社です。
AT&Tは、グラハム・ベルが設立したベル電話会社を前身にもつ、由緒ある通信会社です。ダウ工業株30種の構成銘柄でしたが、2015年にアップル(AAPL)と入れ替わりました。
対してベライゾンは、地域電話会社が合併を経て成長した、現役のダウ銘柄です。
米国の通信会社2強を、投資対象として考えてみます。
両社ともアメリカ(合衆国)が経営基軸です。AT&Tが94%、ベライゾンは100%をアメリカで売り上げています。
2016年12月決算の売上報告では、AT&TがUS$164billion, ベライゾンがUS$126billionでした。2014年まではベライゾンの成長率が高く、追いつきそうだったのですが、この3年間でAT&Tが再び突き放しました。
通信事業の市場占有率は、AT&Tが44%、ベライゾンが39%です。ソフトバンクの子会社スプリントが続きますが、占有率は10%に至らず、2社で市場を占有しています。ベライゾンが有線により強く、ベライゾンが無線に強いです。
経常利益は、両社ともほぼ同額ですので、ベライゾンのほうが、若干ですが、効率的な運営を行っていると言えます。両者とも、ワイヤレス事業が利益源泉となっています。
CF(キャッシュフロー)はAT&Tが安定しています。ベライゾンは売上に対するCF率が5.7%と、かなり生産性の高い運営です。
この2社に投資する魅力は、なんといっても配当でしょう。2018年1月時点で、AT&Tの利回りが5.5%、ベライゾンが4.6%なのです。
AT&Tは30年以上、ベライゾンも10年の連続増配を行っています。
配当志向はAT&Tが高く、売上の9割ほどを配当にまわしています。ベライゾンは70%ほどですので、増額余地がまだあると考えることもできます。 実際に、ベライゾンのほうが、増配スピードは速いです。
株価収益率(PER)はAT&Tが17.8、ベライゾンが13.3です。ほかのダウ銘柄や安定株と比較して、割安だといえそうです。
2銘柄とも、長期保有の投資対象として魅力的です。利回り5%なんて、債権クラスの好条件です。
どちらかというとAT&Tが僕の好みですが、もはやどちらとも優秀です。
ということで、僕は2銘柄とも保有しています。
長期間保有して配当を受け取り、株価が割安なときに買い増して配当益の最大化を狙います。 毎回の4半期決算に注目し、悪材料が出て株価が下がったら、すかさず拾っていこうと思います。
本記事はAT&T vs. Verizon in 7 Charts: Sales, Dividends & Moreを、多くの部分で参考にしています。分かりやすいグラフも掲載されていますので、ご覧下さい。