僕の理解のために、「株式投資の未来」の内容をまとめています。
強気相場に気を緩め、成長系企業へ積極的な投資をしたくなったときに読み直して、自分を戒めるのです。
第2部は、成長株への過剰な評価についてです。
ハイテク企業は実際に、かなりの増益率を達成してきている。だが投資家はつねに、もっと高い期待を株価に織り込んできた。結果的に、投資家が手にするリターンは期待外れだった。
莫大な資本の後押しがあってこそ、人々の生活を根底から変える発明は、普及してきました。資本を投じたのは熱狂した投資家たちです。
画期的だからといって、投資家が儲かるとは限りません。技術の進歩において最終的に実を取るのは消費者であって、投資家ではないのです。
市場が「新時代」思考にとらわれ、株高の理由を正当化し始めたら、それはバブルだとみていい。ウォール街の収益予想はあてにならない。
企業への過剰な期待は、バブルを生み出し、いずれ弾けます。バブルが弾けるときほど、投資家に損失を与える局面はありません。
最先端の技術を開発する企業であっても、株価については、PERなどの、おなじみの指数で評価できます。
株価がまちがいなく過大評価といえる局面はたしかにある。だが長期的に正しいからといって、短期的にもそうだとは限らない。
成長株が、市場の平均リターンを凌駕する局面もあります。
とくに急拡大している場合は警戒が必要です。PERが100倍を超えるような株価は、明らかに割高なのです。
バブルと見極めたら、それに関わる企業や業界から手を引く。話題の銘柄が手元にあったなら、さっさと売って、あとは振り向かない。
空売りで儲けようという考えも危険です。たいていのバブルは予想しきれないほど長く続きます。
株式で空売りのポジションを取った場合、損失は際限なく広がり得るが、利益は売った時の価格を超えることはない。
バブルを経験し、教訓を得ても、過去は繰り返されます。
バブルの記憶が鮮明なうちにも、新たなテーマに熱狂すると、古い記憶はどこかにいってしまい、次の投機熱が始まるのです。
設備投資が高水準な企業ほど、運用成績が低くなることも指摘しています。過剰な設備投資は、収益の足をひっぱり、価値を破壊してしまいます。
IPO市場が沸き立っているときは、過剰に資金が投下されている、最悪のバブル期です。手を出してはいけません。
IPOを買うのはあきらかに、宝くじをかうのに似て、長期的には割に合わない。人気のIPO銘柄を公募価格で手に入れることができたら、さっさと売ってしまうことだ。

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