僕の理解のために、「株式投資の未来」の内容をまとめています。
強気相場に気を緩め、成長系企業へ積極的な投資をしたくなったときに読み直して、自分を戒めるのです。
第3部は、配当の重要性についてです。
投資家のリターンを押し上げる最大の要因は配当です。配当利回りが高い企業ほど、リターンが大きくなります。
配当利回りが高い銘柄を選んでポートフォリオを組んだところ、そのリターンは市場平均を年率3%上回ったそうです。
経営陣がつねに、あくまで株主の利益のために行動するというのなら、配当は重要ではない。そうではない大多数の企業では、決定的に重要となる。
運用成績が上位の銘柄は、ほぼ例外なく配当を続けています。
自社株買いも、一時的にはリターンを押し上げますが、配当支払いほどは、あてになりません。
株主利益を重視する米国企業ならではですが、経営が苦しいときでも、配当は引き下げまいとするのです。
市場が下落する局面ではたいてい、配当が減少する以上に株価が大幅に下落する。そうすれば配当利回りが上昇して、リターンもいずれ上昇する。
投資期間を長くとり、配当を再投資する投資家にとって、下落相場はさほど打撃になりません。
配当利回りが高いほど、損失を回復するまでの期間は短くなります。
それどころか、下落相場を通過することで、リターンが急上昇します。相場が下落しつづける間、保有株が着々と積み増されるためです。
1929年から始まった大恐慌時代は株価が復活するまでに25年かかったが、配当を再投資した投資した投資家は、同じ期間で資産を440%にした。
市場が悲観論にとりつかれるとき、配当を生む銘柄を買い続けるものは、結果的にだれよりも得をする。
リターンが増幅する条件として、増益率が期待を上回ることも重要です。重要なのは、突発的な項目が含まれない、持続可能な利益である、経常利益です。
経常利益は、会計規定がなく、経営陣が裁量をさしはさむ余地がかなりあります。
この点からも、配当に注目することが必要です。決算は確かだと示すのが配当であり、信頼の印なのです。

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