ランダム・ウォークとは、「過去の動きから将来は予想出来ないこと」を意味します。
株式市場に置き換えると、収益予想やチャート分析などは無駄だということです。
頑張って銘柄研究をしている僕には、なんとも受け入れ難い主張ですが、市場に残り続けるためには、多様な意見の吸収が欠かせません。
1973年の初版以来、今も改訂を続ける「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読んだので、学んだことを書いておきます。

ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
- 作者: バートン・マルキール,井手正介
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2016/03/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (7件) を見る
本書の要点は「インデックスファンドを購入して保有し続ける投資が最強」ということです。
株価予想の手法は大きく2つに分けられます。「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」です。
テクニカル分析とは、株価チャートの解釈です。株の値動きを市場の状況から予測し、的確な売り買いのタイミングを予想します。
ファンダメンタル分析は、株式の本質価値を探ることです。企業の将来における利益や配当を予想します。
いずれの分析を利用するにせよ、株価が「ランダムウォーク」するのであれば、意味がありません。本書では、それぞれの分析方法について問題点を指摘しています。
過去の株価データから将来を予測できる可能性を探るために多大な努力がなされてきたにもかかわらず、時間軸の上での株価の動きは極めてランダムで、将来の株価は基本的には過去とは無関係なのだ。
どうせ分からないのであれば、市場全体のインデックスを、手数料が安いETFなどで購入し、保有を続けている方が、パフォーマンスがあがります。
市場の平均成長率を稼げれば、充分だという考え方です。
たしかに、金融市場で“平均”成長率を稼いでいる人は、平均的な人ではないです。
商品を購入する手数料もありますし、税金も発生します。平均リターンは、市場の平均成長率を間違いなく下回っているのです。
これ、僕にとっては、目からウロコが落ちるクラスの発見です。
今までも、本や雑誌などで学んでいたのだとは思いますが、孔子的な、モノゴトは中庸がいいよねという草食系な意味だと取違えていました。
本書を読んで、始めて腑に落ちました。
責任を転嫁しちゃいますが、「平均」という言葉がよくないです。平均を上回っている人がいるなら、自分もそちら側に行きたいと思っちゃいます。
これからは、市場の“平均”成長率までのリターンを目指して、気楽に運用していこうと思います。
インデックス型のETFを抱えて1歩も動かないなんて、そんなズルみたいなことして、パフォーマンス上がっちゃったら、このブログはまったく面白くなくなっちゃいますね。
大丈夫です。そんな簡単にいくはずもありません。
資産の大半をぶち込んだ金融運用が、いかに精神的なダメージを与えるのか、不本意ながら、引き続きお伝えできてしまうことでしょう。