中南米Eコマース最大手のメルカド・リブレが10-12月決算を報告しました。
内容は相変わらず刺激的です。
- 売上 :$428 million(昨年同期比19.3%増、現地通貨ベース61.8%増)
- 営業利益:$205 million(昨年同期比7.0%増)
- 当期利益: $(2.3) million(昨年同期$(67) million)
- EPS: $(0.05-)(昨年同期$(1.53-))
- 保有現金:$465 million(昨年同期比19.8%増)
- 利用者 : 267 million(昨年同期比26.0%増)
- 新規登録: 18 million(昨年同期比75.7%増)
- 取引額 : $5,302 million(昨年同期比25.0%増、現地通貨ベース68.5%増)
メルカド・リブレについては、こちらをどうぞ。
前回決算はこちらです。
為替の影響を除くと、60%以上の売上拡大を達成しました。勢いが止まりません。
主力のEコマースビジネスは引き続き堅調です。現地通貨ベースで17.6%伸ばしています。
ただし、取引数は5.4%アップに留まりました。昨年同期はBrazilでのキャンペーンが成功し57.5%も増加していたため、比べると鈍化傾向ためです。
バイヤー数は7.5%増です。
支払ビジネスがよかったです。
提供するMercadoPagoの取引額が71.7%アップ、取引数では90.1%も増やしました。
ほかのサービスとリンクするポイント支払いは365.3%、モバイルでの支払いは4倍に拡大しました。
宅配事業のMercadoEnviosは、無料キャンペーンを行い発送数を28.5%に伸ばしています。
決算翌日の市場では、20.89%株価を上げました。
20.89%!? 衝撃的だな。見てくれ、この直角なチャート。
(MELI 株価チャート 6ヵ月)
中南米ビジネスを狙うアマゾンの台頭を心配していましたが、メルカド・リブレはもはやEコマースだけに頼らない組織体に成長しました。
支払ビジネスは中国のテンセントを彷彿とさせるし、宅配事業は比類の対象すらない。ヤマト? クロネコ? うん、違う。
金融商品の販売開始も開始し、インターネット市場に流れ込んだ貨幣価値をメルカド・リブレ経済圏のなかで巡回させる仕組みが築かれつつあります。
BrazilではEコマース手数料を均一にして廉価品の排除を始めているし、さらに一段階の上のフェーズに進化しそうだ。
心配なのは、事業を広げすぎることによる資金繰りです。
巨額の投資を注ぎ込んでいる割に財務状況は落ち着いてきていますが、決算ごとの保有キャッシュの動向には注意が必要です。
メルカド・リブレには、まだまだ拡大の勢いを感じます。
できれば買い増しをしたいのですが、現時点で300万円を保有し資産の6.5%を投下しているので、なかなか踏み切れません。
買い増したとしても、保有割合10%までだな。現地の状況が分からないから、それ以上の集中投資は危険すぎます。
日本の報道で知ることが出来るのは、麻薬ギャングとサンバばかりです。
ほかにもトピックあるでしょ。ラテンアメリカの皆さんに申し訳ないよ。
あくまでも安全な範囲で、メルカド・リブレへの投資を継続しようと思います。