狙いを定めた銘柄を購入したい。株価が下がるタイミングまで待つのか、すぐに買うのか。
投資家の命題です。
えっ、僕だけ?? まぁ、いいや。僕は思い悩んでいるのです。
下落局面を待っていたら値上がりを続けて買い時を失い、痺れを切らして購入したらガクッと落ちる。
あぁ、どうすればいいのですか。
長年に渡って僕を悩ませる命題を実際の株価を使って検証してみます。
【命題】
株価が下落してからの購入と即買いでは、どちらが有利か?
<買いタイミング>
下落待ち:株価が前回高値から10%以上下落し、2%反発した時点
即買い:随時
<検証内容>
下落待ちして買った株価と市場価格とで、割安に買える可能性の比較
← 買い逃した期間と、買い負けした期間を比べる
*期間は前回の下落待ち購入時点から起算して、購入時点まで
<判定>
安く購入できた期間の長いほうが勝ち
*実際にはどれだけ安く変えているのかと配当金の考慮も必要だが、計算が眩暈クラスなので省略
検証に使うのは、市場連動型ETFのVTIとVTです。それぞれ、米国株と世界株とにリンクしています。
発売以来の月初め価格で検証しました。
【VTI】
下の赤矢印が、10%以上株価が下落してから2%値を戻したタイミングです。
それぞれ、下落を待っていた期間を算出します。
- 5 months
- 12 months
- 66 months
- 8 months
- 3 months
- 16 months
- 15 months
- 53 months
- 34 months
合計. 212 months
次に、期間毎にどちらが安く買えたかを数えました。
下落待ち購入で安く買えた期間
- 4 months
- 11 months
- 13 months
- 7 months
- 2 months
- 2 months
- 8 months
- 10 months
- 11 months
合計. 68 months
毎月月初の価格が安かった期間
- 1 month
- 1 month
- 53 months
- 1 month
- 1 month
- 14 months
- 7 months
- 43 months
- 23 months
合計. 144 months
下落待ち価格が安かったのが68カ月だったのに対し、月初価格は144カ月でした。
→都度買いしたほうが、安く買える可能性が倍以上高かった
続いて、世界株価に連動するVTです。
【VT】
まずは株価が10%以上下落し、2%値を戻したタイミングです。
それぞれ、下落を待っていた期間はこちらでした。
- 7 months
- 3 months
- 16 months
- 15 months
- 8 months
- 40 months
- 5 months
- 32 months
- 2 months
合計. 128 months
期間毎にどちらが安く買えたかを数えます。
下落待ち購入で安く買えた期間
- 6 months
- 2 months
- 4 months
- 11 months
- 3 months
- 18 months
- 2 months
- 12 months
- 1 month
合計. 59 months
毎月月初の価格が安かった期間
- 1 month
- 1 month
- 12 months
- 4 months
- 5 months
- 22 months
- 3 months
- 20 months
- 1 month
合計. 69 months
下落待ち価格が安かった期間が59カ月に対し、月初価格は69カ月です。
→都度買いのほうが、安く買える可能性が16.9%高かった
程度の差はありますが、どちらも都度買いの勝ちです。上昇局面が長く続いたときの買い逃しが、買い負けよりも大きいインパクトを与えました。
下落率の設定と、買い発動させるトリガー設定を変更しても、傾向としては同じになると考えられます。
VTIとVTの過去データからは、下落による購入機会を待たず、すぐに買ったほうが安値を掴む可能性が高まることが分かりました。
株を買いたくなったら即買いした方がいいということです。
株価は長期で俯瞰すると上がり続けているので、納得の結果でした。実際に買うときにも簡単だしね。
翻すと、売却するときには、慌てることなく、少しでも保有期間を長くすることで得られる利益が大きくなりそうです。
分散は必要だけどね。あくまで可能性なので、最初の一撃で再起不能のダメージを受けたら悲惨です。
手間はかかりましたが、数値結果が得られたのは有益でした。折を見て、個別株でも検証し、サンプル数を増やそうと思います。
【VTIとVTによる検証結果】
株を購入する際には、下落による購入機会を待たず、すぐに買ったほうがよい