億万長者物語

30歳100万円から運用を始め、39歳現在、資産額6,000万円。経済的自由を目指して、まだまだ頑張ります!


命を懸ける

 

参加人数の割に会議室が大きすぎる。

 

入口付近、部屋の一角に集まって長机を囲んだ。

 

急遽呼び出された僕は、今日の議題を把握していない。

 

発言の場から遠ざかろうとしたのだが、なぜか中央の席に座らされてしまった。

 

僕の隣には、若く優秀でエネルギーに溢れる担当者が前のめりに構えている。

 

彼が、僕を主役席に導いたのだ。

 

なんだよ。

 

自分で進行しろよ。

 

斜め前、補佐役の女性から飛んでくる香水が鼻についた。

 

その横の研修中だとかいう女性は、変に高価な乳液を使用しているのか、顔面のテカリが過ぎる。

 

プレゼンテーションは進行し、都度発せられる質疑と応答の応酬に、場はアツくなっていった。

 

僕を除いて。

 

案件が重大過ぎて、参加者の手に負えるとは思えないのだ。

 

現場担当者のあずかり知らぬところで、決定はなされるだろう。

 

場所は料亭だろうか。

 

お友だち企業との役員会食。ぐずぐずに事案は決められていくのだ。

 

くだらない。

 

茶番でしかない商談に参加している現実に頭痛がする。

 

なおも続けられる質疑応答。

 

取引先担当者の柔和な笑顔とは裏腹に、指摘内容が鋭くなっていく。

 

僕の隣、彼は叫んだ。

 

僕たちは命を懸けて担当しているんです!!

 

おおお、おいおい。

 

ままま、待て待て。

 

その「僕たち」って、僕は含まれていないだろうな。

 

 

 

人生の重大事のように業務遂行できる同僚を尊敬します。

 

茶化しているわけじゃなくて、本当に尊敬する。

 

畏怖の念すら抱く。

 

スゴイよね。なぜ、ああも本気になれるのだろう?

 

業務を達成したとして、社会が好転すると思えているのかな。

 

世界から貧困が消滅し、あの子の涙を乾かすことができる。

 

そんなこと、ないからね。

 

もちろん、そういう崇高な業務に携わっている人もいるのでしょうが、残念ながら僕の担当業務がそうだとは思えません。

 

交換可能な歯車のように、与えられた役割を演じるのみです。

 

社長とか役員も同じね。

 

重要な決定や方針転換は先送りにされ、むにゃむにゃと組織のみが延命されていく。

 

真剣に業務に対応することでこそ身に付く技能や経験は貴重ですが、ほどほどにね。

 

サラリーマンでしか使わないスキルだったりするし。

 

その企業独自の知識だったりもする。

 

それに、必死さを違う方面に発揮すれば独立して活躍することができるかもよ。

 

あくまで、自分の人生が豊かになるかどうか。

 

自信が望む方向に人生を進められているかどうか。

 

簡単に、命を懸けてはいけません。

 

冷静に冷静に。

 

サラリーマンは少し俯瞰気味なほうがいいくらいです。

 

給料は変わらないよ。

 

運よく出世できるかもしれないけれど、そもそも会社で偉くなりたいのか。

 

自分と、自分が大切に思う人のために、大切な命を懸けて真剣に生きていこうと思います。