昨日は父の日でした。
離れて暮らす父には、毎年プレゼントを送るようにしています。
息子から父への贈り物。
てへへっ。
照れくさいような気もしますが、こういうことに妻がきちんとしているのです。
昨年までは食べ物を贈っていました。
父の趣味は飲酒と旅行。
僕も言えたものではありませんが、父はお酒の飲み方が粋ではなく、同居家族から評判がよくありません。
なので、お酒関連のプレゼントは却下。
旅行には月に1度の頻度で出かけていますが、とくに写真を撮るわけでもなく、楽しいんだかなんだか。
感想を聞いても、まぁそうだったね、としか言いません。
なんなんだろう、まぁそうだねって思うだけの旅行。
道中の想像がつかないので、プレゼントを選ぶことは至難です。
なので、旅行関連も却下。
結果、無難な食べ物系の贈り物に落ち着いてきました。
食べたら無くなるし、外したときのダメージも少ないですからね。
今年は、ストレートにお酒関連を選びました。
もうね、発想の転換。
飲み方がどうであろうと、好きなことを存分に楽しめばいいと思います。
暴れようがクダを巻こうが、同居していない僕は知ったことじゃないし。
僕が学生の頃の父は、深酒しては暴言を吐いていました。
さすがに暴力や破壊行為はなかったけれど、間違いなく酒乱の部類に入ります。
酔って喚き、母親に絡む。
お酒を飲みながらバレーボールの木村かおり選手のドキュメンタリーを見て、嗚咽するほど泣きはらしていたこともあったな。
こういう大人にはなるまいと誓った高校生の夜。
今思うと、ストレスが酷かったのでしょう。
中間管理職だったし、優秀な若手に台頭される年代でした。
サラリーマンとしてのゴールは見えていただろうし、徐々に閑職に追わていた気配もありました。
僕が少々道を外しており立派な息子ではなかったことも理由です。
すまんかった。
僕は毎週末に実家の両親と電話をしていますが、当時と比べたら酒癖はマシです。
深酒はしなくなったようだし、休肝日も設けていると言っていました。
父はめっきり酒量を落としていて、最近の晩酌は日本酒を1合ほど嗜むぐらいとのことです。
本当かな。
同居家族にはよく思われないから、隠れて飲むらしい。
それは嘘であってくれ。
こういう情報収集も、定期的に連絡を取っているからこそなのです。
同居家族からは、未だに酔ったら訳が分からなくなるし、人格も破滅すると聞いていますが、それもこれも長年積み重なったストレスのダメージです。
家族を背負う重責。
昭和の父親は大変だったのです。
どう思われようと、お酒ぐらい飲めばいい。
どうせ制止しても飲むんだし。
だったら、楽しく飲めばいいと思います。
僕がプレゼントに選んだのは、お猪口です。
涼しげなガラスに、透き通る青緑のグラデーション。
贈ったお猪口は高価なものではないけれど、毎晩のお酒を少しでも愉快に過ごして欲しい。
まだ父の日のプレゼントを贈っていない人は、今からでも準備することをおススメします。
とくに同居していない人。
知らんうちに同居家族に煙たがられて、目も当てられなくなっているかもしれませんよ。
こっそり日本酒を啜る父親の姿を想像してみてください。
泣けてきます。
僕?
残念ながら、自分の子どもたちからの特別なプレゼントはありませんでした。
いいのです。
僕だって、父の日のプレゼントだなんてこっぱずかしいことを始めたのは、自分が家庭を持ってからです。
それまでは、保育園で工作してくれた折り紙のネクタイを大事に取っておこうと思います。