信頼している知人が僕のおススメ本を読んでくれていました。
待ち合わせた喫茶店、飲んでいたコーヒーの傍らに添えられていた。
オッシャレ~。
嬉しいです。
読書は時間と労力を使います。
よほど信用できる人からでないと、推薦されたからって読もうという気にはなれない。
僕のおススメを読んでくれているってことは、僕のことを信用してくれているということです。
合ってる?
考えすぎかな。
光栄だったので、知人のおススメを教えてもらいました。
森博嗣(もりひろし)。
ほほう。
読んだことがありません。
何冊か調達し読み始めました。
まずは「読書の価値」。
思ったことを記載しておきます。
森博嗣氏は小説家です。
まだ小説は読んだことがないけれど、そのように紹介が書かれていました。
筆の速い作家で著作は300冊、エッセイも多数執筆しています。
本書は著者の考える読書について。
読書方法だけに留まらず、「本」の全般について述べられます。
本の存在意義とかね。
考え方に切れ味があって面白かったです。
森博嗣さんにとって、本を読む行為は人との出会いと同様です。
どんな本を読んだのか、どのような影響を受けてきたによって、教養や品格が形成されます。
そのため、本を読むときには未知の情報を期待し、影響を受けたいという素直な気持ちで臨むそうです。
つまらない本でも、つまらないことの理由が隠されていて、結果的に自分を成長させるかもしれない。
人との出会いと同じで、自分に受け入れる姿勢がないと同調することは出来ないのです。
蓄積された知識は、アウトプットに用いられます。
情報を知るためであればインターネット検索で充分ですが、外部に頼れない思想のためにはあらかじめのインプットが必須です。
外部に頼れない思想。
それは、「思いつき」です。
面白いアイデアを思いついたり、解決の糸口がひらめいたり。
自分の頭のなかの情報を結び付けて、なにかを湧き出させるのです。
インプットには本は格好の材料です。
人類の叡智が保存されている。
哲学もあれば、家庭菜園の本もある。
旅行書だってあるし、架空の物語もそろっています。
まったく別の情報が、本というだけの理由で同じ空間に陳列されている。
豊かな偶然性を活用するために、本は自分で選ぶべきだそうです。
面白そうな本を自分で選び出すこと。
本との出会いは、人との出会い。
人間関係を築けるかどうかは、個人の感覚でしか判断できないからです。
うーむ。
知人に推薦してもらった僕の行為は、よくないことになってしまうね。
そうなると、僕が森博嗣さんの著書を読む機会はなかったわけで、この出会いはなかったことになってしまう。
僕は、信用できる人からおススメ本を招待してもらうことは有意義だと思います。
その人のことが好きであれば、同じように、その人が好きな本からの影響も受けやすくなる。
その人から影響を受け、その人に影響を受けた本からも影響を受ける。
幾重にも積み重ねて自分をアップデートしていくのです。
森博嗣さんが書くように、本との出会いは人との出会いです。
すべてを賛同できる他者なんて存在しません。
えっ?
いるのですか?
ちょっと宗教色を感じるから、いったん立ち止まったほうがいいよ。
いろんな意見に触れてみる。
参考になることもあるし、ちんぷんかんぷんのときもあります。
情報を蓄積して自分を磨いていく。
人との出会いを楽しむように、これからも多くの書物を読み進めようと思ったのでした。