子どもは病院にお見舞いに来てはいけないそうです。
そうとは知らず妻が子どもたちを連れてきて、通用口で止められていました。
僕は迎えに行っていたため、ほんの少しだけ話したり抱きしめることが出来ましたが、即面会終了です。
新型コロナの対応で最も疲弊しているだろう医療機関の言うことには従うしかありません。
けれど、僕は昨日から楽しみにしていたのです。
分かりやすく消沈してしまい、申し訳ありませんでした。
盲腸の治療で入院してから4日目。
寂しいです。
読書をしたり、勉強したりしています。
ブログを書いていたら、お仕事のことは忘れてください、と気を使っていただきましたが、ご安心ください。
とっくに忘却していますとも。
子どもと過ごせる日々がどんなに幸せだったのかを噛みしめています。
入院の数日前、身動きのとれなくなった身体。
布団に聞こえる子どもたちの声を聴くことが幸せでした。
慌ただしい朝の音。
今から友だちの家まで迎えに行ってから学校でのクラブ活動の予定までの、1日の予定を嬉々として母に語る長女。
母は自分の準備にてんてこ舞いで聞いていないから、早く自分の準備をしなよ。
出かけようとする直前の長女がまだ歯を磨いていないことを母に告げ口して、自分で伝えるように指示を受ける長男。
教えてあげるのはいいことだけど、もっと前に言ってあげればいいのに。
なぜか、出発を食い止めようとするのです。
そして、急げ急げ―、という陽気な声は二女。
口ばかりが動いていて、実際には何も急いでいないことが想像できます。
ほら。
案の定、妻の急き立てる声が聞こえてくるのです。
子どもが帰ってくるまで、家は静寂に包まれていました。
布団のなかで微睡む僕。
3時になると声が戻ってきます。
ただいまー!
・・・おかえり・・・。
何とか声を掛ける僕。
パタン。
冷蔵庫を開ける音。
お菓子はいいから先に顔を見せてくれよ。
長女も帰ってきました。
ただいまー。
パタン。
外に遊びに出かけ、日が暮れて家で勉強を始めていると、二女が妻に連れられて帰ってきます。
ただいまー。
パタン。
二女もか。
ご飯の時間だから我慢しな。
帰ってきた妻が、僕の様子を見に来てくれるようです。
その前に。
パタン。
賑やかな食卓の音からは、家族がいてくれる幸せを味わいます。
妻は注意ばかりしていて大変そうだけどね。
食べ方が汚いとか、ちょっかいを出すなとか。
元気だったときには、僕も口うるさく注意していました。
箸の持ち方とか、食べるときに口を開けるなとか。
自分が注意するのは大変だけれど、遠くで聞いている分には平和な光景です。
今では空間を共有することすらできない。
楽しい我が家。
喧噪のなかに戻れるよう頑張ります。