億万長者物語

30歳100万円から運用を始め、39歳現在、資産額8,300万円。経済的自由を目指して、まだまだ頑張ります!


絶食体験

 

ずっと点滴でした。

 

盲腸の治療は胃腸を整えることが重要で、身体の中に食べ物を入れることが出来ません。

 

1日4パックの点滴。

 

回復し始めると腸が動き始めるので、お腹が空きます。

 

点滴で栄養は摂取できているはずなのですが、脳が食べ物を欲するのです。

 

時間になると、同部屋の人たちには食事が運ばれます。

 

出汁のいい匂いが香ってきたりして、羨ましい。

 

静かな病室に遠慮がちな咀嚼音が聞こえてきたりして、悶絶しました。

 

膳を下げに来た看護師さんに、残しちゃいましたなんて話しているし。

 

殺意です。

 

 

 

ついに僕も点滴を卒業するときがやってきました。

 

医師が化膿箇所をぐいぐい押し、痛みがなかったため食事の開始が許可されたのです。

 

本当はなんだか違和感があったけれど、そんなことは口が裂けても言えません。

 

僕は経口摂取したいのです。

 

時間になり、運ばれている食事。

 

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おおおーー!

 

これだよ!

 

ずっと待っていたよ!!

 

芳醇な香りが漏れ漂ってきています。

 

恭しく閉ざされた蓋。

 

開けてみましょう。

 

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透き通っている!

 

美しい。

 

3種類の液体の競演です。

 

いただいてみましょう。

 

まずは重湯。

 

ご飯の香りをほのかに感じ、舌にはコメの甘みが残ります。

 

固形物は一切ないけれど、しっかり噛んで味わいました。

 

口の中で主張してくる僅かな重みが心地よかったです。

 

続いてスープ。

 

具が入っていなくて判然としないけれど、おそらくコンソメです。

 

うっすらと浮いた油膜がなんとも食欲をそそります。

 

口に含むと、ニンジンや玉ねぎのハーモニーが奏でられました。

 

飲み込むと野菜のうまみと塩味が遅れて通過してきます。

 

お茶で口直し。

 

サッパリと胃に流れ込みながらも、大地の息吹が鼻を抜けていきました。

 

 

 

流し込みたくなる欲望を我慢し、噛みしめながらゆっくり味わいました。

 

とめどない満足感。

 

ベットで身体を伸ばし、食後のヨーグルトを頂きます。

 

幸せの余韻がまだ残っている。

 

こんなにも感慨深い食事を頂いたのは、いつ以来だろうか。

 

美味しいというか神々しいです。

 

地球の恵みを頂きました。

 

巡ってきた生命が、僕のなかに取り込まれていく感覚。

 

食事中は、食べ物のことだけを考えました。

 

携帯電話は伏せて、本もサイドテーブルに片付けた。

 

味覚を僅かたりとも鈍らせたくなかったのです。

 

僕は絶食期間を経て、この境地に辿り着きました。

 

絶食体験をさせてくれる宗教施設がありますが、まさにあれです。

 

悟りの境地。

 

マインドフルネス。

 

病院では点滴をしてもらえるから、さらに安心なのです。

 

体調はいいし、肌も張ってきました。

 

精神力に満ち溢れ、なんだって出来そうな気がしている。

 

生命に感謝することのできる絶食体験。

 

究極のデトックスです。

 

入院は大変ですが、人生の意味を見失っている人には効果的。

 

生かされている奇跡に深く感謝することが出来るでしょう。