効率的に考えられるようになりたいと思います。
無駄な思考に時間を費やしている暇はありません。
人生は何事も為さぬにはあまりにも長いけれど、何かを為すにはあまりに短い
意義の引用は山月記から。
夭折の文人、中島敦の名作です。
力不足がバレてしまうことへの危惧と努力を怠る怠惰への吐露が、その後に続きます。
いいよね。
悲しい見栄の張りっぷり。
痛いほどに同感します。
山月記では虎になってしまうので、その前に歩を進めておきたい。
正しい思考方法を身に付けるために「Think Smart」を読みました。
本書では思考方法の罠が紹介されます。
例えば、依頼を受けるときに理由を付け加えられると納得してしまう。
「トイレの順番を譲っていただけませんか」
行列に並んでいるときにお願いされても、無下に断らるだけです。
僕の後ろの人、全員に聞いてくれ。と言う。
「トイレの順番を譲っていただけませんか、急いでいるもので」
急いでいるのは僕だって同じです。
余裕を持った状態でトイレに並ぶ人なんていません。
それなのに、あら不思議。
説明になっていなくても、理由が表明されると譲ってしまうのです。
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本書では、このような思考について52個もの効果が列挙されます。
52個⁉
多すぎます。
そんな大量の罠を1つずつ気にしていたら、なにも決断できません。
習慣や雰囲気に直感が歪められれる罠が紹介されているし、論理的に考えた結論が直感には敵わない罠も紹介されています。
悩み過ぎで脳が疲れ、決断できない罠もある。
どうしろというんだ。
本書で紹介される思考の罠は新聞のコラムに1つずつ紹介されていて、それを一冊にまとめて出版されました。
本書の知識は1日に1個、豆知識として楽しむには最適です。
思考の罠については参考知識として蓄えておき、あまり気にしすぎないこと。
なにも決断できなくなってしまっては、それこそが罠です。
思考の罠があまりにも緻密には張り巡らされていることが分かった。
だったら罠に陥っても構いません。
罠に引っ掛かる前提で、鷹揚と人生に臨もうと思います。