同僚に負けたくないと思っていました。
会社勤めをしていた頃のことです。
業績もそうだし、昇進状況や給料額を気にしていました。
上司からの評判がいいとか、取引先に気に入られているとか。
上司が上司であることにも引っ掛かりを感じていました。
少し先に入社しただけなのに、なぜ偉そうに振舞ってくるのか。
敬服しているんじゃなくて、地位に従っているだけってことが分からないのかな。
それでいて、後輩にポジションに負けてしまうのは我慢なりません。
若手が勢いをつけてくると言いようのない焦燥感に駆られるのです。
僕の救いは、お金でした。
嫌な思いをしても、我が家の資産額を思い出すと留飲を下げることが出来ます。
口座の残高が膨れ上がるにつれて、その傾向は顕著になっていきました。
意味不明な叱責を受けても、へこたれることはありません。
誰だと思っているんだ!お前より貯め込んでいるんだぞ!
と暴言を吐くのです。
心の中でね。
そもそも、そいつが僕よりお金を持っている可能性もあるけれど。
くだらないことをしていたと思います。
負けたくないって、なにに?
よくよく考えてみたら、競争なんてしていないよ。
僕が人生で求めていることは幸せになることです。
幸せは脳内信号によってもたらされる。
幸せな状況ではなく、幸せを感じられる状態が幸せなのです。
同僚がどんな人生を歩もうとも、僕には関係がありません。
出世したって構わないし、資産を築いていたって困らない。
なぜあんなに周囲を気にしていたんだろう。
嫌なことがあったときに資産額に拠り所を求めるって変態です。
経済的な自由を目指していたはずなのにお金に囚われてしまっている。
そもそも、お金を持っていることで誰かより上位に立とうなんて、人として終わっています。
ちょっと前までの僕ね。
なんてヤバい奴だったんだ。
よかったです、そこから抜け出すことが出来て。
再び同じ思考に陥らないように、気を付けよう。
会社のなかの人間関係なんて重要ではない。
意識するのなら、もっと人生を楽しんでいる人です。
スナフキンとか、ルパン三世とか。
アニメだけど。
競うということは、相手のレベルに自分を限定する行為です。
適切な向上心は効果があるけれど、不必要なこだわりは可能性を限定してしまう。
出世競争は、組織に埋没する行動にほかなりません。
意識しているその相手は、自分が進みたい方向に向かっているか。
視野を広げて、見定めましょう。
そもそも競争する相手ですらないのかもしれませんよ。