小学2年生の長男は段ボールが好きです。
宅配便が届くと駆け寄ってきて、すぐに開けてくれと要求します。
中身を取り出した後の、梱包材の段ボール箱が欲しいからです。
手に入れた段ボールで色んなものを作っています。
例えばピンボール台。
薄めの段ボール箱に傾斜が付くようにティッシュ箱を貼り付け、割り箸のレールにティッシュを丸めた玉を打ち込んで遊んでいました。
続いて釣竿。
小型の段ボール箱の横に穴を開け、段ボールを巻いて作った棒を突き通します。
棒の内側から箱の上部を通して糸を垂らし、棒を回転させると糸が巻き付けられる仕組みです。
糸の先端にはラック用のフックが結ばれています。
そうなのです。
うちの長男には創作の才能があるのです。
将来が楽しみだ。
創意工夫に溢れた才能だけでなく、斬新な発想も持っています。
段ボール箱に大きめのぬいぐるみを押し込んで、キャラクターの家にしていました。
トイ・ストーリーのエイリアンの顔だけが飛び出していて、かわいい。
大きめの段ボール箱には三角座りで自らをぴったり収納します。
テレビを見てリラックスしている。
背中がサポートされて居心地がいいらしいとのことです。
ええ、ええ。
分かりますよ。
うちの長男には芸術の才能もあるのです。
お気に入りの段ボール箱はエノテカです。
エノテカはワインの販売業者で、リーズナブルな価格で高品質なワインが楽しめます。
通販用のサイトで不定期に開催される10本選り好みセットでは、赤白泡の多様なワインから好みのものを選ぶことができます。
1本当り1,000円。
上等な酔いを週末の夜に。
エノテカの段ボール箱はワレモノ対応のために厚みがしっかりしています。
余裕をもって梱包してくれるので大きさもあって深さも充分です。
なんでも作れる。
エノテカ箱で、段ボール箱入れを作成することだってできる。
というか、すでに我が家にある。
エノテカで注文した10本セットが到着しました。
3年前に奮発して購入したセラーへの運搬を進んで手伝う長男。
赤は上段、白は下段、泡は立てかけて。
段ボール箱が欲しいので、完璧な動きで格納を終わらせてくれました。
今回は何を作るのだろう。
側面を真ん中で分断し、縦方向に並べて向きを揃え、テープで接着させています。
接着部の側面は取り除いて、縦長の箱が出来上がりました。
そこへタオルケットを持ってきて敷き詰めて、バスタオルで覆う。
枕を上部にセットして完成です。
段ボールハウスが出来上がってしまいました。
今日も長男は段ボールハウスで寝起きしています。
身体にぴったりフィットして、寝返りのクセを治せるらしい。
そうなのです。
長男は天才なのです。
切断部の処理が雑なので、朝目覚めるたびに腕や脚に生傷を作っています。
心配した学校の担任に、段ボールハウスでひっかいたと答えらたらしい。
段ボールハウスで生活する小学生。
大丈夫かな。
虐待を疑われていないか心配です。
人間は段ボールさえあれば生きていけます。
多くを望みすぎてはいけない。
企業による消費活動が促進される資本主義社会。
長男の段ボールハウスに、正しい人間の生きざまを見たのでした。