長男とは頻繁にケンカになります。
僕から仕掛けたりはしませんよ。
とりあえず大人ですからね。
お酒が入っても大丈夫。
僕は飲むと楽しくなるタイプなのです。
怒ってくるのは長男です。
どうやら眠くなると自制心が崩れてしまうようで、暴れたり騒いだりします。
だったら早く寝ればいいのに。
なぜだか分かりませんが、眠くなってから通信学習のテキストに取り掛かるのです。
算数が難しいようです。
論理的な思考が求められる。
テープを5センチづつ、10枚貼り合わせます。重なった部分は合わせて何センチでしょう。
分かりますよね。
答えは45センチ。
重なった箇所がテープの数(n)に対して-1になることがポイントです。
図解し、1枚目のテープには貼らないことを伝えます。
納得しない長男。
眠くて頭が動かなくなっているのです。
それでも粘ります。
布団を準備して就寝を促しても懸命にテキストと格闘します。
意志の強さは大切だけれど、そういうことではありません。
悔しいのか、訳が分からなくなっているのか、泣き出す始末です。
適当に答えを書き入れますが、残念ながら不正解。
9枚と回答していて言いたいことは分かるけれど、そもそも求めるものを見失っているから、単位すら間違っています。
そして、正解にしてくれないと泣いて怒ってくるのです。
叱られる僕。
この理不尽には耐えるしかない。
ようやく寝室に押し込みます。
それでいて、次の日には早く起き出すから、夜に眠くなって崩れるのです。
早起きを、褒めていいものか叱っていいものか。
出しっぱなしのテキストを片付けつつ、回答を確認しておきます。
寝かせられる直前まで書き込んでいました。
ひょっとしたら当たっているかも。
その場合は、最後まで頑張ったことを讃えてあげよう。
どれどれ。
お父さんのバカ
なんてこった。
僕の悪口が書き殴られていました。
気力を振り絞って。
限界を迎えつつ書いたのがそれかよ。
大崩れしながらも、僕のことをお父さんと呼んでくれています。
ありがとう、長男。
バカ呼ばわりされつつも、嬉しい。
長男にとって、僕はいつでも父親です。
泣こうが叫ぼうが、お父さん。
こんな幸せなことってありません。
子どもたちのお父さんでいられることが僕の誇り。
任せておきな。
誰よりも深い愛を注ぐから。
親からのサポートが必要なくなるまで、父の責務を果たそうと思ったのでした。