好きなことのために働けたら最高です。
働くために働くようなことはしない。
しかも、労働は効果を得られる最小量に限定できていて、勤務場所も自分で選ぶことが出来る。
ワクワクしますね。
自由な選択肢を確保して生きる人たちをニューリッチ(NR)と呼ぶそうです。
自分の時間を管理し、周囲の人間の助けを借りながら目的を達成していく。
時間を無駄にするのではなく有効活用するのです。
お金を稼ぐために上司へと昇進し、管理職を目指す束縛された人生に陥るようなことはしません。
僕もニューリッチ(NR)になりたいので勉強してみました。
ティモシー・フェリスの「「週4時間」だけ働く」です。
本書を手に取り、まずは厚みに驚かされました。
4㎝。
電話帳や辞書でしかお目にかかれないボリュームです。
本書が提案するのは1日に4時間ではありません、週に4時間。
簡単には達成できるようなテーマではない。
道のりは険しいのです。
ニューリッチ(NR)は従来型の生活様式からは距離を置きます。
大金を稼ぐをことを目標にし、色んなものを欲しがるようなことはしません。
それだと、いつまでも終わらないラットレースになってしまう。
毎日の収入を確保してキャッシュフローを安定させたら充分です。
あとは、自分を満たすことのために時間を費やします。
競争意識から解き放ち、スピードと規模のストレスから自由になる。
早く引退することを目指すのではなく、リフレッシュ期間やミニリタイヤメント期間を設けながら、ワクワクするようなことをして過ごすのです。
まずは充分な時間の確保です。
束縛された環境に喜びを感じているのは、ただの勘違い。
またはサラリーマンの才能があるのかもしれませんね。
それはそれで、羨ましいです。
無駄な労働を削ぎ落すには、「パレートの法則」が指標になります。
「80/20の原理」とも呼ばれ、富の80%は人口の20%から生み出されるという予測です。
労働も同じ。
不必要な80%を削り落としつつ、80%の結果を確保するのです。
「パーキンソンの法則」によれば、与えられた時間の分だけ仕事は複雑なものへと膨れ上がります。
定義された9時-5時労働は、悪しき慣習が定着したもの。
本書ではサラリーマンも労働契約によって時間労働の束縛から解き放たれることを提唱しますが、残念ながら日本の労働環境には馴染みません。
日本人の僕たちは起業を果たすなり株式投資するなりして、成果を捻出すればいいと思います。
本書で興味深かったのは、9時-5時労働から解放されたあとの心理状況が記載されていることです。
必要品という名目のガラクタを捨て去るとどうなるのか。
喪失感が訪れます。
僕は昨年リタイアしているのでよく分かります。
なんだか満たされないのです。
時間がありすぎる。
自己批判と自分の存在意義を問うパニック発作。
本書によれば、囚われの人間関係から解放された反動です。
成長を促す意欲的な目標を見つけ、疑問を消し去るしかありません。
なにかをすべきだという考え方から自分を解放し、楽しくてやりがいのある何かに取り組むのです。
人生は解かなければならない問題でも、勝たなければいけないゲームでもありません。
ルールと制限は自分自身でつくり出すものです。
セミリタイヤを考えている人やFIREを検討している人には、本書を一読しておくことをおススメします。
労働から解放されたい心理状態を整理できるし、自由になった後に起こり得る事象への記述は貴重です。
後ろめたさを感じたとき、選択肢に自信が持てなくなったとき、読み返そうと思います。
人生の意味をつくることが僕たちの責務。
無駄なものを取り去りニューリッチ(NR)の生活に突入しても、良いものを生み出すことへは直結しません。
より良い生き方をして、より良い心を持つことがニューリッチの目的なのです。