億万長者物語

30歳100万円から運用を始め、40歳現在1億3,100万円。会社は辞めました。経済的自由を目指して、まだまだ頑張ります!


親の役目

 

ウノ!

 

高らかに宣言された。

 

嘘だろ。その手はなかったはずだ。

 

幼稚園へと出発する前の、朝のひと時。

 

二女の策略がさく裂した。

 

幼稚園児の朝は忙しい。

 

寝ぼけながら朝食を食べ、連絡ブックを揃えて制服に着替える。

 

ティッシュとハンカチをバックに入れたことを確認し、健康観察手帳には当日の体温を記入しなければいけない。

 

体操服袋も忘れずに。

 

さらに我が家では、洗濯物を干すのも二女の役目なのだ。

 

僕が会社を辞め、二女と朝を過ごすようになって半年が過ぎた。

 

すでに朝の支度には慣れており、出発の目標時間までには余裕がある。

 

僕はブログを書き、二女は本を読んだり折り紙を折ったりして朝の時間を楽しでいる。

 

その日は二女が誘ってきた。

 

お父さん、ウノしよ。

 

おいおい。 

 

コテンパンにやられて泣きべそで登園する覚悟はあるか。

 

僕は子どものころからウノをやり込んできた。

 

幼稚園児に負けるほどヤワではないのだ。

 

 

 

7枚ずつ配り、順番に手札を減らしていった。

 

なるべく特殊カードから使っていく。

 

最終版で手札を出しやすいように、同じ数字の色違いカードを残しておくことも怠らない。

 

二女残り4枚。僕が3枚。

 

よし。そろそろ仕掛けるか。

 

二女の番。

 

赤のスキップを出された。

 

二女の番。

 

次もスキップ。青色へ色チェンジ。

 

為す術がない。

 

そして宣言したのだ。

 

ウノ!

 

手札は2枚。

 

二女はダブル出しを仕掛けてきた。

 

赤と青の3。

 

鬼コンボ。

 

完敗である。

 

幼稚園へと出発する二女。

 

茫然と見送ったのである。

 

 

 

眠る前に再戦を果たした。

 

長女と長男も参加する。

 

次は負けない。

 

場はドロー2の気配。

 

ドロー2は次の出し手に場から2枚引かせ、その番を終わらせる攻撃系のカードである。

 

ただし、ドロー2や上位札ドロー4で先送りすることが可能。

 

我慢比べだ。

 

終盤、長女が仕掛けた。

 

ドロー2。

 

二女がドロー2を重ねて、僕も続く。

 

この時点で、引かなければならないカードは8枚。

 

長男の番。

 

ドロー2。

 

やはり持っていたか!

 

攻撃系カードは仕掛けを遅らせることで優位になることが多いのだ。

 

落ち込む長女。

 

表情を一変させて繰り出した。

 

ドロー2。

 

まだ持っていたのか!

 

あえて仕掛け時点で重ねて出さない戦略。

 

手札を減らすのが遅れるが、防御力が兼ね備える良策である。

 

 

 

子どもたちは成長する。

 

ルールを把握し、自分たちで策を練ってきていた。

 

侮ってはいけない。

 

いつまでも大人の腕のなかで守られる存在ではないのだ。

 

大人は保護者の立場に甘んじないこと。

 

子離れできない親になってしまう。

 

自分の役割は何歳になっても自分で見つけ出さなくてならない。

 

合わせて10枚のカードを引く二女。

 

凄まじい攻防に笑みがこぼれていた。

 

以前だったら泣いていたことだろう。

 

子どもは、いつまでも子どもではないのである。