図書カードを片手に長男が泣き狂っています。
脳のキャパシティがパンクしたらしい。
しばらく泣き続け、そのまま就寝しました。
余計なことに頭脳を使わないで、さっさとベッドに向かっていればよかったのに。
長男は懸賞が好きです。
QRコードを読み取る応募企画に、頻繁に参加しています。
小学生がメインの対象で、QRコードで参加するキャンペーン。
長男は高確率で当選しています。
当然です。参加者が多いとは思えない。
長男が狙うのは換金率が高いもの。
図書カードなどの金券です。
小学3年生の懸賞で、QRコードで、金券。
敵なしです。
今まで複数枚を当選させましたが、まだ使用はしていません。
長男が欲しいものは、駄菓子ぐらいのもの。
またはゲーム機や自転車など、かなり高額なもの。
金券だと使用店舗と金額が限定され、欲しいものが見当たらないのです。
あとは眠るだけという時間になってから、長男が財布を取り出しました。
溜まった金券を数えるためです。
大人だって、眠る前に銀行口座に振り込まれた給料を確認して満足したりします。
子どもだって同じ。
使い道がないと嘆いています。
欲しいものがないそうです。
当選した金券を手放したくないという気持ちもあるのでしょう。
貯め込むだけでは貨幣価値を正しく利用していると言えない。
用途が限定されている金券は、使用することでのみ価値が出ます。
手に入れる喜びを知って欲しい。
せめて、8割交換で現金と取り換えることを提案しました。
金券は使い勝手が悪いけれど、現金だったら好きなものを購入することが出来ます。
とりあえず銀行に預け入れておくことだって可能なのです。
悩む長男。
こうした思考の経験が学びの機会になるのです。
僕が読書に戻って30分ほど経ったでしょうか。
シクシク泣く長男。
どうした!?
8割でしか現金を手に入れられないことを悲しんでいます。
金券のまま保管しておいてもいいんだよ。
優しく諭しましたが、理解が追い付かなかったようです。
零れ落ちる涙。
漏れ始める嗚咽。
泣き始めると堪えきれず、しゃくりあげ始めたのでした。
すべての価値は同等ではありません。
1年間の労働と500万円を交換することもできれば、一晩の運用で吹き飛ばすこともできる。
人それぞれです。
悩み抜いた長男は500円の図書券とドラえもんの単行本を交換していました。
それでいい。
財布の中にしまわれていた一片の紙きれと、ページから繰り広げられる物語。
いろんな価値があることを学んでいって欲しいと思います。