グーグルやアップルの創業者や幹部を育て上げたコーチがいます。
ビル・キャンベル。
アメフトのコーチ出身者でありながら、シリコンバレーの企業を率いた経歴を持つプロの経営者です。
ビルが生み出した価値は1兆ドル。
日本円にして110兆円です。
国家予算と同額だね。
破格すぎるよ。
僕も国家予算を動かす男になりたいので、ビル・キャンベルの教えを学びました。
「1兆ドルコーチ」です。
本書はグーグルにおけるビルのコーチング記録や関係者からのヒアリングをもとに執筆されました。
登場する教え子はNFLのトッププレイヤーからスティーブン・ジョブス、ジェフ・ベゾス、ゴルフ場のキャディさんなど。
愛し愛される人柄だったそうで、2016年の葬儀には1,000人を超える列席者が訪れています。
ビルの考えはいつだって人が中心です。
会社を支えるのは人。
問題そのものよりも解決にあたるチームのことを考えました。
ビルは名だたる企業の錚々たるメンバーにコーチングを行っています。
ビルはコーチを行うときには対象者のコーチャブルな資質に注目しました。
いきなり仕事の話題に入るのではなく、家族の話や週末の旅行の話などで信頼関係を築いていたそうです。
ビジネスと人格を同一視し、まるごとの人間として扱ったのです。
正直さと謙虚さ、あきらめない姿勢や学びへの意欲。
相手の尊厳を守りつつ厳しいフィードバックを与えます。
親身になりつつ厳しく挑戦を促す愛のムチです。
うわぁ。
と思ってしまいました。
僕は自分の時間を取り戻すために会社を辞めました。
本来の人格を打ち出して仕事をしたら、労働に対して疑心暗鬼モードの全開放出は避けられなかったでしょう。
労働と自分とは完全に切り離す必要があったのです。
ビルの考えは経営者の目線です。
チーム方針を掲げ、個人を叱咤して問題解決に没頭させる。
組織への忠誠を誓わせて実力以上の能力を発揮させます。
さすがアメフトコーチ出身者、チームスポーツの真髄を会社組織に応用させました。
でも僕が労働者だったら嫌です。
力を超えた課題に身を粉にして対応する。
なんで?ってなる。
僕は従業員だし、組織は僕ではありません。
ビルは指示をするのではなく物語を語ったそうです。
チームのミッションと自分が成し遂げたいことの方向性が合致したらいいんでしょうね。
でもそんなことってあるのか?
人から与えられた目標が人生を捧げられるほどに適合するって都合が良すぎます。
いつだってルールを作れる指導者が強いのです。
組織のビジョンを設定してチームに落としこむことができる。
ゲームをしているかのように労働を楽しめたらいいのだけど。
スポーツはPlayだけど仕事はWorkだよ。
同じようにはできないよ。
まずは労働を自分のものにすることから始めよう。
1兆ドルを動かせるようになるために越えなければいけない壁は多いです。