様々な職業について知ることで、生活の余裕度が増します。
資産が底をついたら働けばいいじゃないかと思える。
手を挙げれば簡単に雇用へありつける職種であればなおさらです。
そんな「社会の底辺(僕が考えているわけじゃないよ! 出版社の意図だよ!)」に脚光を当てるシリーズの続編を読みました。
「ケアマネジャーはらはら日記」の感想を記しておきます。
本書はケアマネジャーとして介護現場で働く筆者により綴られます。
大学卒業から介護職へ転向、それからのケアマネジャー業務が日記形式で語られており、なかなか読ませる内容でした。
介護の現場の過酷さや働き甲斐などについてに主眼が置かれていますが、僕が感じ入ったのは強固な組織感覚です。
介護職は個人では成り立ちません。
医者や民生委員、ボランティアなどとの協力によって介護を成立させていきます。
そもそもケアマネジャーの給料や報酬は介護保険を運営する行政より支払われており、個人で請け負うことはないようです。
組織で動くと、どうしても軋轢が生まれます。
歳出を減らしたい行政やら事なかれ主義の運営団体やら。
同僚のなかにも発注者側の行政目線を持つ人がいて、筆者のように利用者目線の人がいて。
うわぁとなりました。
僕は埋没感に嫌気がしてサラリーマンを辞めました。
誰でもできる業務を難しい雰囲気で遂行し、関係者と結論の決まっている議論を繰り返す。
人生の浪費です。
介護職も同じでした。
業務内容は社会に不可欠で素晴らしいのに。
手を挙げれば誰でもできるからって介護職をセーフティーネットに考えていたら精神が崩壊してしまいます。
あくまで個人的な意見ですが、人間が集まるとロクなことになりません。
日本企業ではその特徴が強いように思いますが、行政も同様に悲惨です。
全体福祉のために働いているんだから、正しいことをすればいいのに。
不正利用がどうのとかを現場が気にしてはいけません。
現場管理者が担当者に圧力をかけてしまうようでは組織として機能しようがないのです。
本書の筆者は介護職に誇りを持ち、仕事を通じた社会貢献に幸せを感じているようでした。
その姿勢は素晴らしいと思うけれど、僕にはきつい。
なんだか看護現場の軋轢をヒシヒシと感じたので、なるべく介護のお世話にならないように生きていこう。
家族だとか健康だとかを大事にしようと思ったのでした。