株価が下がっているからといって悲嘆に暮れていてはいけません。
弱っているときは成長のチャンスです。
無意識に心が救いを求めるからね。
吸収力が発揮されるのです。
影響を受けすぎて変な方向に突っ走ってしまうこともあるから注意してください。
「千年投資の公理」で株式投資を勉強し直すことにしました。
しばらく前に購入はしていたのですが、すでに投資本を20冊以上読み込んでいるし、「株式投資の未来」や「敗者のゲーム」で充分だと思う。
目先の華々しさに目を奪われることなく地道にS&P500へと投資してきましたが、果たして僕は正しい資産運用をしているのだろうか。
改めて投資戦略を振り返りました。
「千年投資の公理」で学んだことと思ったことを書き示しておきます。
本書の主旨は明朗です。
障壁を持つ優良企業を割安に購入する
そりゃそうです。
いいものを安く買う。買い物の鉄則ですね。
障壁とは強い競争力のことであり、ライバルに勝る優位性のことです。
ブランド効果や強い既存顧客、規模に裏付けされたサービス、安価に提供できる基盤などが本書では挙げられています。
障壁は経済的な堀となり、企業の価値の耐久性を高めてくれます。
革新的なリーダーは堀にはならないそうです。
離職してしまったり、的外れな戦略を採用する可能性もある。
サラリーマン時代に嫌になるほど実例を見てきたので深く納得できました。
市場はときに過剰なまでに悲観的になります。
売られすぎた優良企業を安価に購入する。
いつか適正な株価へと回復することでしょう。
業績を図るPERや財務状況を表すPBRが指標です。
本書のメッセージは簡潔で単純ですが、実践は厄介です。
ホームページを熟読し、SNSを駆使して現地での評価を拾い集める。
決算レポートも読み込まなくてはなりません。
米国企業だったら英語だし、南米だったらスペイン語です。
僕は数年前まで個別株に投資していて、購入候補の企業やそのライバルについて調べていました。
ものすごく大変でした。
本書にも記述がありますが、経済的な堀は恒常的なものではないから逐次情報を仕入れなおす必要があるのです。
僕の場合はたまたま上手くいってお金を増やすことができました。
ただし市場平均とは大きな差はありません。
全体的に良かったから個別株の成績も好調だっただけです。
考えてみれば当然です。
個別株の平均がインデックスを形成します。
分散して個別株を保有しておけばインデックスに近い成績になるのです。
市場には投資を生業とするプロの投資家や銘柄研究に努力を惜しまない金融機関など、魔物たちが巣食っています。
市場が織り込んでいない業務内容を反映させ、一般に公表されている財務諸表を武器にして戦う。
・・・抜け駆けは無理そうだ。
個別株って難しいですね。
よい株式投資について本書で学ぶことができました。
当然のことを当然のように実行する。
よりよい投資成績を求め市場参加者全員で作業を実行し続けた結果が株価です。
僕はその恩恵に与るだけで充分です。
誰かを出し抜こうとなんてしていないし、市場に立ち向かおうとなんてしていません。
金融機関の凄腕たちが適正な評価を与え続けます。
尖った成績を残すことは僕の投資目的ではありません。
僕の投資戦略は、インデックスに長期保有すること。
変更はしなくて大丈夫そうだ。
市場に居座りつづけることで、ゆっくりと着実に資産を築いていこうと思ったのでした。